コロナ禍で減った収入を補うべく、副業に注目が集まる。ANAや飲料大手、ダイドーグループホールディングスなど大企業も副業解禁へと動きだした。本業で年収1000万円に届かなくとも、副業を駆使して大台を達成するつわものすら存在する。特集『年収1000万円の大不幸』(全13回)の#12では、コロナ禍での副業事情を追った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
コロナ禍で副業に熱視線
ANA、ダイドー…大企業が副業を解禁
「最近は注文が入りにくくなっています。おそらく注文数の伸びよりも、配達員数の伸びの方が大きいんでしょうね」――。
こうぼやくのはあるウーバーイーツの配達員だ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で一気に需要を高めたフードデリバリー。ウーバーイーツをはじめとする自転車の配達員の姿を街中で見掛ける場面は急増した。
コロナ禍による所得の減少や、在宅勤務で時間に余裕ができたことにより、会社員の新たな収入源として副業への関心が高まっている。
政府は2018年、働き方改革の一環として副業を容認する方向にかじを切り、「副業元年」と掲げた。ところが当初、企業側が副業を認める動きは限定的だった。
しかしコロナ禍によって、ようやく大企業も副業容認へと重い腰を上げた。航空大手のANAや飲料大手のダイドーグループホールディングスなど、副業を解禁する企業が続出。加えてIT大手のヤフーや日用品大手のライオンなど、副業人材の受け入れを表明する企業も増えてきた。
ただ、冒頭のウーバーイーツの配達員のような誰もが思い付く副業は、あっという間に過当競争に陥り、稼ぎづらくなっているのが実情だ。
副業で手堅く収入を得るためには、自らのスキルを生かすことが早道。コロナ禍の今、どういった職種の副業に人材が集まっているのか。
オンラインビジネスマッチング「ランサーズ」への登録者数の伸長率を分析すると、コロナ禍で人材が殺到している職種が浮き彫りになってくる。